美豆兎の備忘録

日常と制作風景。陶芸と登山と猫。好きなものとこと。

祝!卒業!(近況その4)

さんざん 担任と生活指導の先生と親をてこずらせた 息子が

やっと卒業。

 

退学と停学がちらつく 綱渡りのような学校生活が 終わりました。

 

よくやった!じぶん! (けっして息子じゃない)

 

われわれ夫婦で

「よく、まぁ 3年間 あの子を 学校に行かせ続けることができたよね!」 って 

 

自分たちを褒め 卒業のお祝いはふたりで と盛り上がる。

 

ついでに卒業祝いの記念写真 撮っちゃう? 夫婦で。

 

そんな 喜びと でもちょっとさみしい気持ちの 卒業式。

息子は 大学には進まず 就職先も決まっていない。

うちの子は他の子とは明らかに違う。

親の敷いたレールは歩かないし 親が安心するような 道は選んでくれない。

2400人いる生徒の中で 彼はひときわ目立っていて

親が赤面するほど いいことも悪いことも

おおっぴらに隠さず堂々として

いつも、自分の 行きたいところへ行く。

 

親や大人が注意したって 怒ったって イタい目に会っても 

くじけない。 工夫して考えて 悔しい思いを噛みしめて 

またやり直す。

 

だから、こっちは 遠くから見守るしかないっす。

親も一目置いてますよ 息子よ。

 

注:悪い部分は今回、かなり端折っています。

 

進学校なので ほとんどの生徒たちは

大学か専門学校へ進みますが

うちはそんな訳で 先行き不安な状況で卒業式を迎え

母親の私は 複雑な気持ちで 朝 

息子を送り出した。

 

「大学、無理してでも行かせれば良かったかしら」

 

「行きたいって言ったときに さっさと決めさせればよかった」

 

「いやいや、考えに考えてこれで良し。と腹を決めたはず」

 

それに、息子が普通の子たちと同じ道を歩いたら

息子には不利だ。

だいたい、大学卒業させて サラーリーマンにさせたからって

それが本当に幸せなのか?

この子の本当の幸せって何だ。

息子の人生はどうだと良いんだろうか。

 

そんなことを 悶々と考えた日々。

 

朝はぱっとしない気分ではあったが

卒業式をに出て 心が晴れました。

 

 

息子のクラスの 担任の先生が壇上に上がり

ひとりひとりの生徒の名前を呼び

 

子供たちはよく通る声で 「はい!」と返事を返す。

 

「以上!S組 34名!」

 

と むすんだとき クラス全員が立ち上がり 息子のかすれた声が響いた。

 

「先生のクラスで良かったぁー! せぇーのっ!」

 

全員で「ありがとうございました!」

 

面食らってる先生は見えたけど

私からは息子は見えないけれど あれは息子の声。

しかも 泣いてかすれた息子の声だった。

 

 

 

なかなか 青春してんじゃないの。

 

 

 

会場の外で撮った あちこちのクラスにいる悪友を集めての 記念写真。

息子はまん中で お友達に肩を組まれ 泣き笑いの 

でもいい笑顔だった。

 

夜は先生から厳重注意されていた 打ち上げを決行。

 

卒業のときと同じメンバーの記念写真が

 

私の携帯に送られて来た。

 

まずまず。 これからも どうなるか分からないけど

取りあえず 仲間はいっぱいいるようだ。

 

親の目はもう届かない。

 

でも、これからは友達が いいときも悪いときも 支えてくれるだろう。

息子が生まれたとき 読んだ本があって

この本の最後の締めくくりの詩を ずっと大切にしてきた。

ちょっと のせようか。

 

 

「あなたの子どもは」(カーリル・ギブラン/霜田静志訳)

 

あなたの子どもはあなたの子どもではない。

子どもは「生命」の渇望からの子どもである。

 

子どもはあなたを通って来る。

しかしあなたからではない。

 

子どもはあなたと共にある。

しかし子どもはあなたのものではない。

 

あなたは子どもに愛を与えることができる。

しかし考えを与えることはできない。

子どもは自分の考えをもっているのだから。

 

あなたは子どもの体を動かしてやれる。

しかし子どもの心は動かさない。

 

子どもは明日の家に生きている。

あなたはそれを訪ねることも、夢みることもできない。

 

あなたは子どもを好くようになれるであろう。

けれども子どもがあなたを好くようにならせようとはしなさるな。

 

人生は後に退き昨日にとどまるものではないのだから。

 

あなたは弓である。

そしてあなたの子どもらは 生きた矢としてあなたの手から放たれる。

 

弓ひくあなたの手にこそ喜びあれと

 

 

 

 

最後までお付き合い ありがとうございました。 本日は以上!